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Ep.1563 Google、複数ECサイトの商品をまとめて管理・決済できる「Universal Cart」を米国で提供開始──検索とGeminiを横断するAIショッピング基盤へ(2026年10月18日配信)

Ep.1563 Google、複数ECサイトの商品をまとめて管理・決済できる「Universal Cart」を米国で提供開始──検索とGeminiを横断するAIショッピング基盤へ(2026年10月18日配信)

Season 1 Episode 1563 Published 1 week ago
Description

タイトル


Google、複数ECサイトの商品をまとめて管理・決済できる「Universal Cart」を米国で提供開始──検索とGeminiを横断するAIショッピング基盤へ


このエピソードで登場するキーワードを説明します。


Universal Cart: Googleが2026年5月のGoogle I/Oで発表し、同年10月15日に米国で提供を開始した横断型ショッピングカート機能。Google検索やGeminiアプリで見つけた異なる店舗の商品を1つのカートにまとめ、価格追跡から決済までを一貫して行える。


Shopping Graph(ショッピンググラフ): Googleが保有する、世界中の600億件以上の商品情報や在庫、価格、レビューなどをリアルタイムで更新し続ける巨大な機械学習データセット。


Universal Commerce Protocol(UCP / ユニバーサルコマースプロトコル): Googleが2026年1月に発表した、AIエージェントとEC事業者のシステムを安全かつ標準的な方法で接続するためのオープン規格。


Google Wallet / Google Pay: Googleのデジタルウォレットおよび決済サービス。Universal Cartでは、登録されたクレジットカードの特典やポイント還元率をAIが分析し、最もお得な支払い方法を提案する役割も担う。


Seller of Record(販売主体 / 記録上の販売者): 取引において法的な販売責任や顧客サポート、注文管理の主体となる事業者のこと。Universal Cart経由の購入でも、Googleではなく各小売店が販売主体として維持される。


それでは解説に入ります。


米国のGoogleは、米国時間の2026年10月15日、異なるECサイトやブランドの商品を1つの買い物かごにまとめて管理・購入できる新機能「Universal Cart」を、米国のGoogle検索およびGeminiアプリ向けに展開開始したと発表しました。2026年5月の開発者会議「Google I/O 2026」で予告されていた目玉機能であり、年末のホリデー商戦を前に、AIを活用した新しい購買体験がいよいよ実用段階に入りました。


これまでオンラインで買い物をする際、消費者は複数のブラウザタブを大量に開いたままにしたり、気になった商品のスクリーンショットを撮って保存したりしながら、店舗ごとに別々のサイトを行き来して比較・購入する必要がありました。Universal Cartはこうした煩雑さを解消するため、Google上のあらゆる場所で見つけた商品を、店舗の垣根を越えて単一のカートに保存できるように設計されています。たとえば、Google検索の「AIモード」で見つけたハンドバッグをカートに入れ、その後Geminiアプリで相談しながら見つけた別ブランドのセーターやコスメを追加した場合でも、すべてのアイテムが共通のカート内に一覧表示され、いつでも中断したところから買い物を再開できます。


このカートは単なるブックマークではなく、裏側で常に最新情報が更新される600億件以上の商品データベース「Shopping Graph」と連動して自律的に働くのが大きな特徴です。カートに商品を入れておくと、AIがバックグラウンドで価格や在庫の変動を常時監視し、狙っていた商品が値下がりしたタイミングや、在庫切れだった商品が再入荷した瞬間にユーザーへ自動で通知を送ります。


さらに、決済面での賢いアシスト機能も組み込まれています。Universal Cartは「Google Wallet」を基盤として構築されており、ユーザーが登録している複数のクレジットカードの特典やポイント還元条件をAIが理解しています。いざ購入する段階になると、どのカードで支払うのが最もお得かを提案してくれるほか、利用可能なプロモーションコード(割引クーポン)もカート画面上で自動的に提示してくれます。


実際の購入手続きにおいては、安全性と利便性を両立させた2つの方法が用意されています。1つは、Universal Cart内から直接「Google Pay」を使って数回のタップだけで決済を完了させる方法、もう1つは、まとめた商品を各小売店のサイト上のカートへとそのまま転送して購入する方法です。このスムーズな連携の裏側には、Googleが2026年1月にエージェント型コマースの標準規格として提唱した「Universal Commerce Protocol(UCP)」が採用されており、ローンチ時点でWalmart、Target、Nike、Sephora、Ulta Beauty、Wayfair、そして数多くのShopify加盟店が対応しています。重要な点として、Google上で直接決済した場合であっても、法的な販売主体(Seller of Record)はあくまで各小売店のままであり、注文確認メールやアフターサポートも店舗から直接提供される仕組みとなっています。


これまでAmazonが圧倒的な強みとしてきた「あらゆる商品を1つのカートでワンストップで買える利便性」を、Googleは自らが店舗になるのではなく、UCPという共通プロトコルとAIを使ってインターネット上の独立系ECサイト全体を束ねることで実現しようとしています。一方で、消費者が個別のECサイトを訪問することなくGoogle検索やGeminiの画面内だけで購買を完結させるようになれば、EC事業者にとっては「いかにAIのショッピンググラフに正確な構造化データを渡し、AIに選ばれる商品になるか」という新たな対応が迫られることになります。まずは米国での展開となりますが、検索とAIチャットをそのまま巨大な共通レジへと変える今回のアップデートは、オンラインコマースの勢力図に大きな一石を投じることになりそうです。


今回のエピソードは以上で終了です。また次回お会いしましょう。

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