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Ep.1297 Google、次世代AIチップ「Icefish」の一部製造をSamsungに委託──TSMC一極集中リスクの回避へ(2026年6月18日配信)

Ep.1297 Google、次世代AIチップ「Icefish」の一部製造をSamsungに委託──TSMC一極集中リスクの回避へ(2026年6月18日配信)

Season 1 Episode 1297 Published 1 month, 1 week ago
Description

タイトル


Google、次世代AIチップ「Icefish」の一部製造をSamsungに委託──TSMC一極集中リスクの回避へ


このエピソードで登場するキーワードを説明します。


Google: クラウドサービスやAIの基盤モデル開発を牽引する巨大テック企業。自社設計のAI専用チップ「TPU」の展開を強化している。


Samsung Electronics: 韓国に本社を置く世界トップクラスの総合電子部品メーカー。半導体受託製造(ファウンドリ)分野で、最先端の2nmプロセス技術を武器にシェア拡大を狙う。


Icefish: Googleが開発を進めている第10世代TPUの開発コードネーム。2028年頃の量産開始が予定されている。


I/Oダイ (Input/Output Die): メインの計算処理を行うコア回路と、広帯域メモリなどの外部通信を接続するための独立した半導体チップ。


それでは解説に入ります。


2026年6月11日、Googleが自社開発する第10世代のAI専用半導体、コードネーム「Icefish」の製造の一部を、韓国のSamsung Electronicsに委託する方向で最終調整に入ったことが明らかになりました。これまでGoogleは、AI処理に特化した独自プロセッサであるTPUの製造を台湾のTSMCに独占的に委託してきましたが、今回の決定はその強固な慣例を破る大きなサプライチェーンの転換を意味します。


報道によると、GoogleはIcefishの製造において「分割製造戦略」を採用します。もっとも高い処理能力が求められる演算用のコアチップは、引き続きTSMCが次世代の1.4nmプロセスを用いて製造します。一方で、演算コアとメモリ間のデータ通信を担う「I/Oダイ」と呼ばれる重要なコンポーネントを、Samsungの最先端2nmプロセス(ゲート・オール・アラウンド技術)で製造する計画です。この分割アプローチにより、Googleはチップの処理性能を妥協することなく、製造リソースの分散化を図ります。


この背景には、世界的なAI需要の急増に伴う深刻な製造能力の逼迫があります。現在、TSMCの最先端プロセスはNVIDIAをはじめとする大手企業の受注で事実上の飽和状態にあります。GoogleのTPUも自社での利用にとどまらず、AnthropicやMidjourneyなどのクラウド顧客からの需要が急拡大しており、安定した供給ラインの確保が急務となっていました。Googleは製造インフラの多角化を急ピッチで進めており、今回のSamsungとの提携にとどまらず、2028年に向けてIntelともTPU生産の交渉を行っているほか、チップ設計の面でも台湾のMediaTekとの協業を深めていると報じられています。


市場の反応に目を向けると、この提携は長年TSMCの背中を追ってきたSamsungのファウンドリ事業にとって、極めて重要なマイルストーンになると評価されています。最先端プロセスの歩留まり改善や顧客開拓に苦心してきたSamsungですが、直近ではTeslaの次世代チップ「AI6」や、NVIDIAの次世代プラットフォーム向け言語プロセッサの製造も受注したと伝えられています。厳しい品質要求と膨大なデータ処理を必要とするGoogleの主力AIチッププロジェクトに参画することで、Samsungの2nm技術に対する市場の信頼は大きく向上する見通しです。


AIインフラの需要が爆発的に伸びる中、一社への依存から脱却し、最適な製造パートナーを機能ごとに組み合わせていくというGoogleの戦略は、今後の半導体サプライチェーン再編の新たな標準となる可能性を示唆しています。Icefishの量産は早ければ2028年にも開始される予定であり、世界最大の半導体市場における覇権争いは新たな局面を迎えようとしています。


今回のエピソードは以上で終了です。また次回お会いしましょう。

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