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Ep.1121 川崎重工のAI四足歩行ロボット──溶接職人の技を再現し、日本の造船業を救う(2026年4月23日配信)

Ep.1121 川崎重工のAI四足歩行ロボット──溶接職人の技を再現し、日本の造船業を救う(2026年4月23日配信)

Season 1 Episode 1121 Published 3 months ago
Description

2026年4月18日、日本経済新聞などの報道により、川崎重工業がAIで自律的に動く画期的な「四足歩行型の造船ロボット」を開発し、2028年にも実用化する方針であることが明らかになりました。


日本の造船業界は現在、深刻な技術者不足という大きな課題に直面しています。日本船舶輸出組合のデータによりますと、2025年の輸出船契約実績は前年比20%減となり、実に4年連続で減少しています。政府は2035年に国内の建造量を倍増させる目標を掲げていますが、現場では設備があっても人が足りずにフル稼働できないというジレンマを抱えていました。


これまでも工場内で決まった作業を繰り返す産業用ロボットは存在しましたが、造船所の巨大なドックのような屋外環境では、光の当たり方や足場の状態が常に変化するため、導入が非常に困難でした。特に溶接工程は船の建造全体の約2割の時間を占め、高さ数十メートルにも及ぶ巨大なブロックを高所でつなぎ合わせる危険な作業であるにもかかわらず、その大部分を人手に頼らざるを得ない状況が続いていたのです。


今回開発されるAI造船ロボットは、まさにこうした現場の悩みを解決する救世主となります。重さ60から70キログラムほどの機体は四本足で歩き、階段や段差などの障害物を自ら避けて作業現場へ向かいます。広い場所では車輪を使って素早く移動し、高所での作業時には腹部に内蔵された強力な磁石を使って、垂直な鋼板の壁に張り付くように登っていくことができます。


注目すべきは、この機動力の裏側に、川崎重工が2025年の大阪・関西万博で披露して大きな話題を呼んだ四足歩行ロボット「コルレオ」の技術が生きているという点です。人が乗って険しい山道を歩けるほどの高度な姿勢制御技術が、そのまま巨大な船体の建造という産業の最前線に転用されているわけです。さらに、AI画像認識技術を駆使することで、鉄板のわずか6ミリメートルほどの隙間や曲線をリアルタイムで把握し、これまでは熟練の職人にしかできなかった精密な溶接作業を見事に再現します。


このロボットは昼夜を問わず稼働できるため、川崎重工は溶接工程の生産性を現状の2倍に引き上げ、必要な作業員を半減できると試算しています。国土交通省の研究開発事業としても採択されており、名村造船所や日本海事協会とも協力しながら、2026年度中に基礎技術を確立し、2029年には量産化、そして2030年代前半には他社への外販を含めて100億円の売上を目指すという非常に野心的な計画です。


AIと最先端のロボティクスが融合することで、かつては危険で過酷だった重厚長大産業の現場が、いかにして安全で高効率なスマートファクトリーへと生まれ変わっていくのか。日本のモノづくりの底力を世界に再提示する、非常にワクワクするニュースですね。

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