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Ep.1086 日本AI基盤モデル開発が設立──“オールジャパン”で挑むフィジカルAIへの道(2026年4月16日配信)
Description
2026年4月12日、ソフトバンクをはじめとする国内の主要企業が、国産AIの開発に特化した新会社「日本AI基盤モデル開発」を設立したことが明らかになりました。出資メンバーにはソフトバンク、NEC、ホンダ、ソニーグループのほか、3メガバンクや日本製鉄、神戸製鋼所など8社が名を連ねています。さらに、国内屈指のAI開発力を持つスタートアップのプリファードネットワークス(PFN)もモデル構築で協力するなど、まさに日本の技術力と資本を結集させた体制が整いました。
この新会社が目指しているのは、インターネット上のテキスト情報に依存する従来のAIではありません。画像や映像、音声といった多様なデータを理解し、さらにはロボットや工場の設備などを自律的に制御する「フィジカルAI」の基盤モデルを作ることです。日本が世界に誇る製造業の現場データを学習させることで、2030年度までに産業現場で直接役立つ次世代AIの実用化を目指しており、AIの頭脳の規模を示すパラメーター数も国内最大規模の1兆レベルを目標に掲げています。
背景には、世界のAI開発競争に対する強い危機感があります。現在、AIの基盤モデル開発は米国のOpenAIやAnthropic、中国のAlibabaといった海外の巨大IT企業が圧倒的な資金力で市場を牽引しています。日本企業でも海外製モデルの利用が広がっていますが、工場の稼働状況といった機密性の高いデータを扱うにあたり、情報漏洩や海外へのデータ流出のリスクが長年の懸念事項となっていました。
こうした課題を解決するため、ソフトバンクは計算基盤となるデータセンターの整備も急ピッチで進めています。2025年にシャープから取得した大阪府堺市の旧液晶パネル工場を中核拠点に改修し、最先端の画像処理半導体(GPU)を大量に導入することで、高度な情報処理を国内で安全に完結できる環境を整えます。
政府もこの動きを強力に後押しする構えです。経済産業省は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)などを通じ、今後5年間で1兆円規模のAI開発支援を予定しており、今回の新会社はその有力な支援先になるとみられています。通信、IT、自動車、金融といった各業界のトップ企業が手を組み、日本の強みである「モノづくり」と最先端の「AI」を掛け合わせることで、激化する国際的な開発競争の中で日本が独自の存在感を示せるか、今後の展開に大きな期待が寄せられています。