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「文化の盗用」って何を盗んでいるの? 考えたい言葉 vol.7
Description
「WWDJAPAN」ポッドキャストシリーズの新連載「考えたい言葉」は、2週間に1回、同期の若手2人がファッション&ビューティ業界で当たり前に使われている言葉について対話します。担当する2人は普段から“当たり前”について疑問を持ち、深く考え、先輩たちからはきっと「めんどうくさい」と思われているだろうな……とビビりつつも、それでも「メディアでは、より良い社会のための言葉を使っていきたい」と思考を続けます。第7弾は、【文化の盗用】をテーマに語り合いました。「WWDJAPAN.com」では、2人が対話して見出した言葉の意味を、あくまで1つの考えとして紹介します。
ポッドキャスト配信者
ソーンマヤ:She/Her。入社2年目の翻訳担当。日本の高校を卒業後、オランダのライデン大学に進学して考古学を主専攻に、アムステルダム大学でジェンダー学を副専攻する。今ある社会のあり方を探求すべく勉強を開始したものの、「そもそもこれまで習ってきた歴史観は、どの視点から語られているものなのだろう?」と疑問を持ち、ジェンダー考古学をテーマに研究を進めた。「WWDJAPAN」では翻訳をメインに、メディアの力を通して物事を見る視点を増やせるような記事づくりに励む
佐立武士(さだち・たけし):He/Him。入社2年目、ソーシャルエディター。幼少期をアメリカ・コネチカット州で過ごし、その後は日本とアメリカの高校に通う。早稲田大学国際教養学部を卒業し、新卒でINFASパブリケーションズに入社。在学中はジェンダーとポストコロニアリズムに焦点を置き、ロンドン大学・東洋アフリカ研究学院に留学。学業の傍ら、当事者としてLGBTQ+ウエブメディアでライターをしていた。現在は「WWDJAPAN」のソーシャルメディアとユース向けのコンテンツに注力する。ニックネームはディラン
若手2人が考える【文化の盗用】
「ディオール」2007年春夏クチュール・コレクションから。着物にインスピレーションを受けたとされる。“マダム・バタフライ”のアンサンブル(左)と、デザイナーのジョン・ガリアーノ Giovanni Giannoni WWD (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC 「ディオール」2007年春夏クチュール・コレクションのバックステージから Giovanni Giannoni WWD (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC マリア・グラツィア・キウリによる「ディオール」2020年プレ・スプリング・コレクションでは、アフリカ人デザイナーたちとのコラボレーションが披露された Giovanni Giannoni / WWD (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC欧米を始めとする支配的な立場にある文化が、マイノリティーの文化を使用し、“わが物化”してしまうこと。まず、欧米の先進国出身のデザイナーに比べて、アフリカやアジアなどの地域のデザイナーは活躍の機会が少ない。だからこそ特定の文化を扱ったデザインは当事者がまず使用できる環境にあるべき、という考えが前提にある。文化の盗用になる原因が、1.文化の使用者と当事者の経済的・文化的パワーバランスが不均等であること、2.使用者のみに金銭的利益が生まれ、当事者が除外されていること、3.その文化を持つ人々や文化そのものを間違って表現していること、ステレオタイプを助長していること、など。つまり、さまざまな要因が重なり合って起こる社会課題である。
英語では「カルチュラル・アプロプリエーション(Cultural Appropriation)」と呼ばれ、「アプロプリエート」は、時、場所、シチュエーションなどにふさわしい、すなわち「適応させる」という意味から派生し、公共物を“わが物化”することも指す。文化は国や地域から生まれるというイメージだが、特定のジェンダーやセクシュアリティー、障害のある人々の間など、さまざまなコミュニティーで存在する。
クリエイティビティーとの両立
協業の例:「H&M」は21年4月、アフリカの職人技を生かしたブランド「レムレム」とコラボレーションしたファッション業界では、 インスピレーション源にあらゆる文化を使うことがたびたびあり、それが文化の盗用に当たると指摘される事例が増えている。そして文化の盗用に慎重になりすぎることで、クリエイティビティーが抑圧されてしまうと考える人も多い。新しいことや、唯一無二を常に求めるデザイナーやアーティストは、絵画の「オリエンタリズム(orientalism)」などの文化を引用してきた。これまでは、他文化を使用することで、異国的で真新しく見える「エキゾチシズム(exoticism)」の影響があった。しかしデジタル・グローバル化が進んだ今、その“錯覚”は通用しなくなり、違和感を持つ人が増えた。ただ、つながる手段が増えたことでその文化の当事者への依頼や、協業が可能になった。
【ポッドキャスト】
「WWDJAPAN」ポッドキャストシリーズはSpotifyやApple Podcastsでもお聞きいただけます。
下記にて、ポッドキャストで取り上げた事例を紹介します:
事例1 キム・カーダシアンの「キモノ」
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