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Ep.1018 Google史上最高額となる320億ドルの巨額買収──セキュリティ企業WizがGoogle Cloudへ合流(2026年3月19日配信)
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昨日、2026年3月11日、Googleがクラウドセキュリティ企業であるWizの買収を正式に完了したと発表しました。買収額はなんと320億ドル、日本円にして約4兆8000億円という桁違いの規模で、Googleの歴史において過去最高額となる超大型買収劇が遂に幕を下ろしました。
実はこの両社、2024年7月にも一度、230億ドルでの買収交渉を行っていました。しかしその際、Wiz側は株式上場を目指すとしてこの提案を拒否しています。その後、IPO市場の冷え込みなどの背景もあり再び交渉のテーブルにつき、2025年3月に320億ドルというさらに引き上げられた条件で合意に至っていました。そこから約1年間にわたり、アメリカやヨーロッパの厳しい独占禁止法の審査を乗り越え、ついに昨日、正式な買収完了の運びとなったわけです。市場の反応も非常に大きく、イスラエルのテクノロジー企業としては史上最大のイグジット、つまり投資回収案件となり、現地では創業者らから巨額の税収が見込まれることでも大きな話題を呼んでいます。
では、なぜGoogleはこれほどの巨額を投じてまでWizを欲しがったのでしょうか。その背景には、最大のライバルであるAmazonのAWSやMicrosoftのAzureに対する、クラウドセキュリティ分野での遅れを取り戻すという強い危機感と野心があります。現在の企業は、ひとつのクラウドだけではなく、複数のクラウドサービスを組み合わせて使う「マルチクラウド」が当たり前になっています。Wizは、この複雑に絡み合ったマルチクラウド環境全体の弱点を、非常に早いスピードで一目でわかるように可視化する技術、いわゆるCNAPPの分野で圧倒的な特許と強みを持っています。
Googleは、自社の強力なAIモデル「Gemini」や、以前買収したセキュリティ企業マンディアントの脅威情報の分析力に、Wizのマルチクラウドを見渡す技術を掛け合わせようとしています。これにより、プログラムのコードを書く段階から、実際にシステムが動いている環境まで、一貫してAIが自動で守ってくれる次世代の防衛網を作り上げることが狙いです。なお、Wizのブランドは買収後もそのまま残り、Google Cloudの傘下に入りながらも、これまで通りAmazonやMicrosoftといった競合他社のクラウド環境を利用する顧客へのサポートを継続していくと明言されています。
AIの開発競争が激化し、企業が扱うデータの価値が跳ね上がっている今、クラウドという「金庫」の守りをどれだけ強固にできるかが、今後のIT業界の勢力図を大きく左右することになりそうですね。