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Ep.1029 楽天が国内最大規模のLLM「Rakuten AI 3.0」を公開──高効率なMoEアーキテクチャで日本のAI開発を加速(2026年3月19日配信)
Description
日本のAI開発において非常に大きなマイルストーンとなるニュースが飛び込んできました。2026年3月17日、楽天グループは、経済産業省とNEDOが推進する開発支援プロジェクト「GENIAC」の一環として開発した、国内最大規模の高性能AIモデル「Rakuten AI 3.0」の無償提供を正式に開始しました。このモデルは世界中の開発者が集まるプラットフォームであるHugging Face上で公開されており、商用利用も可能な「Apache 2.0」ライセンスで提供されるため、日本の多くの企業や研究者が自社のビジネスに自由に組み込んで活用できるようになります。
今回公開された「Rakuten AI 3.0」の最大の強みは、日本語に特化した約7,000億という桁違いのパラメータ(人間の脳のシナプスに相当する規模)を持ちながら、極めて効率よく動作する点にあります。全体で約6,710億パラメータという巨大なサイズですが、「MoE(Mixture of Experts)」という最新の設計アーキテクチャを採用しているため、実際に一度の文章生成で計算が動くのはそのうちの約370億パラメータ分に抑えられています。 楽天の社内テストによれば、他社の同規模の巨大モデルを使用した場合と比較して、最大90%ものコスト削減を実現したと報告されており、性能とコストパフォーマンスのバランスが非常に優れています。
実はこのモデル、2025年12月に初めて開発が発表されて話題を呼んでいましたが、そこからさらに会話能力や人間の指示に正確に従う能力に磨きをかけるファインチューニングが施され、本日の一般公開に至りました。英語の文献や技術情報も周辺調査したところ、複数の日本語の性能テストにおいてアメリカのOpenAIが提供する「GPT-4o」などの世界トップクラスのモデルを上回るスコアを記録しており、日本の独特な文化やビジネスの慣習、複雑なニュアンスを深く理解できる頼もしいAIに仕上がっていることがわかっています。
現在、世界のAI市場は莫大な資金力を持つ海外の巨大IT企業がリードしていますが、機密性の高いデータを扱う日本の企業からは、安全な国内のサーバー環境で動かせる高性能な「オープンな国産モデル」を求める声が急速に高まっています。楽天がこれほど巨大で優秀なAIをオープンソースとして世に送り出したことは、海外技術への過度な依存を減らし、日本独自のAIエコシステムを構築していく上で、計り知れない価値があります。今後、このモデルを土台にして、私たちの仕事や生活を便利にする様々なメイド・イン・ジャパンのAIサービスが誕生していくことがとても楽しみですね。