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第589回:Web活用・データ活用できない会社の原因は「個人のスキル不足」ではないかもしれない

第589回:Web活用・データ活用できない会社の原因は「個人のスキル不足」ではないかもしれない

Episode 589 Published 7 months ago
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第589回_なぜ新しいことに手をつけられないのか

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データ活用できない会社の本当の原因は「個人のスキル不足」ではない

AIや業務効率化、さまざまなシステム活用の話題が飛び交う昨今、それらをうまく取り入れている会社と、どうにも手が出せない会社がきれいに分かれてきている印象があります。

成功事例として持ち上げられるように、スムーズに進んでいるところ、そこそこ実現できている実感があるところもある。

一方で、現場としても経営層としても「どうも活用できない」と感じている会社さんも少なくない印象です。

どちらの会社さんからもご相談をいただく中で、両者の違いや課題について考えることが増えました。そこで今回は「どうすればデータを元に動ける組織になれるのか」というテーマで、現場で感じていることをお伝えします。

「リテラシーが低い」「意識が足りない」で片付けてはいけない

データ活用というと、どうしても算数や数学的なイメージがつきまとい、うまくいかない原因を「リテラシー不足」「意識が低い」「主体性がない」といった個人の課題に集約しがちに感じます。

しかし、現場に入ってみると、そういうところ以前の課題が横たわっていることが実に多いのです。

ざっくり言えば、データをうまく使えない組織というのは、スキルがないから動けないのではなく、「データを元にして動くと損をする環境」に人々が置かれてきた結果、そうなっているケースがほとんどです。

つまり、個人の能力ではなく環境が課題のケースが多い、少なくとも原因に占める割合としては大きい。

もしこれがシンプルに個人の課題であれば、話は簡単です。

「このデータはこういうふうに読むと、こういうことが分かるんですよ」と伝えるだけで、どんどん変わっていきます。

組織として研修を行えば、翌日から少しずつデータを見てくれるようになったり、「勉強会をもう一回やりましょう」という声が自然と上がったりする。個人がボトルネックであれば、やり方をお伝えするだけでちゃんと前に進んでいく。

しかし、課題が環境にある場合は違います。

データが使えるということは分かっている。でも、それを活かせる「空気」がない。やりたいと思っていてもやれない。そういう状態が生まれているのです。

組織的な要因が疑われるサイン

では、環境に課題があるケースにはどんな特徴があるのか。

私がよく目にするのは、次のようなもの

  • 課題提起した人が、そのまま実行責任を押し付けられる
  • 提案すると、なぜか厳しく詰められたり「言ったからには証明してくれよ」という空気になる
  • 一番頑張って提案してくれている人が、一番元気がない・疲れている
  • 会議では売上などの数字は話題に出るが、対策を練る段階になると急に「勢い」や定性的な話に流れる
  • 会議が終わって部屋を出た途端に、みんなが一斉に本音を話し始める

こうした状態にある組織では、過去にデータを根拠に動こうとした人が、ポジティブなフィードバックではなく

「そんなデータで何が分かるんだよ」「否定するなら説明責任を取れよ」と一方的に押し付けられてきた経験があることが多いのです。

結果として、今のやり方とは異なる判断軸を持ち込んだときに、それを受け入れられない体質ができあがってしまいます。

個人個人のスキルを上げたところで解決しない

そういう状況なら、個人個人のスキルを上げたところで解決しません。

むしろ、やる気やモチベーションのある人から先にやめていってしまうという深刻な事態を招きかねません。

管理者としてこの状況を変えたいのであれば、まずは組織の空気そのものを変えることが出発点です。

影響力のある立場の方ほど率先して行動し、たとえ失敗しても「うちは変わるんだ」という姿勢を見せることが重要です。

データ活用を阻む「4つの壁」

データ活用がうまくいかない原因は大きく4つに分類できると私は考えています。

壁1:能力・スキルの課題

1つ目は、シンプルに今までやってこなかったという経験値の課題です。

データの見方が分からない、解釈の仕方が分からない、そこから何ができるのか行動に結びつかない。

やったことがなければ最初うまくいかないのは当たり前のこと。実際、仕事というのは何でもやってみて覚えることの方が多いもの。

このケースであれば、雑に言えば「教えればどうにでもなります」。

むしろ現場の方々は、定性的・定量的な知識を豊富に持っています。私のような外部の人間がとやかく言うよりも、はるかに生々しく良いアウトプットを出してくれることも珍しくありません。

壁2:組織の構造と仕組みの課題

2つ目は、組織の構造に起因する課題です。

「言い出した人がやる」という暗黙のルールが存在していたり、データに基づいて誰がどう動くのかという役割分担が曖昧だったりします。やろうと思っても権限がないというケースも少なくありません。

ここでいう「権限がない」とは、会社の制度上の話だけではありません。むしろ多いのは「空気的な」権限の欠如です。

提案したことに対して「いいね、やってみなよ」というポジティブな後押しがないのはつらいです。

評価制度も、自分で発案して行動し、成果を出したことがきちんと認められる仕組みになっていない。動きたいのに、動ける心理状態に自然となれない構造が出来上がっているのです。

壁3:心理的な抵抗

3つ目は、個人の心理的な課題です。

データを活用すると、これまで「こうすればいい」と信じてきたやり方が覆される場面がどうしても出てきます。

そのとき、「否定されたくない」「今までの自分が失敗だったと思われたくない」という感情が湧き上がり、過去の判断と自分の存在価値を結びつけてしまうことがあります。

これは性格や考え方の癖に根ざす部分が大きいため、一朝一夕には解決できません。

構造の課題をきちんと整えた上で、実際に動いてもらい、それを認めるというステップを踏んでいく必要があります。

大切なの

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