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Ep.968 AnthropicがVerceptを買収──AIが自律的にPCを操作する時代の幕開け(2026年3月5日配信)
Description
2026年2月25日、AI言語モデル「Claude」を展開するAnthropicが、シアトル発のAIスタートアップであるVerceptを買収したと発表しました。この買収は、AIが人間と同じようにコンピューターの画面を認識し、直接ソフトウェアを操作して複雑な業務をこなす「コンピューター・ユース」の能力を一段と飛躍させるための戦略的な一手です。
Verceptは創業以来、AIがいかにして私たちが日常的に使うソフトウェアの中で視覚的に状況を捉え、的確に行動できるかという、非常に難易度の高い課題に取り組んできました。今回の買収に伴い、Verceptの高度な技術と、共同創業者のキアナ・エサニ氏をはじめとする優秀なチームがAnthropicに合流します。なお、Verceptが提供していたデスクトップアプリケーション「Vy」は、今後30日以内にサービスを終了することがユーザーに通知されています。
この動きの背景には、Anthropicが最近リリースした最新モデル「Claude Sonnet 4.6」の目覚ましい進化があります。AIのコンピューター操作能力を評価する代表的なベンチマークである「OSWorld」において、Sonnet 4.6は72.5パーセントという高スコアを叩き出しました。これは、複雑なスプレッドシートの操作や、複数のブラウザタブをまたいだウェブフォームへの入力といったタスクで、すでに人間のレベルに迫る性能を獲得していることを意味します。Anthropicは、Verceptの知見を統合することで、AIが複数のアプリケーションを横断して自律的にワークフローを管理する世界を本格的に実現しようとしています。
また、このニュースは周辺の市場にも大きな波紋を広げました。買収が発表された2026年2月25日、従来の業務自動化を担ってきたRPA分野の代表的企業であるUiPathの株価が3.6パーセント下落しました。事前の複雑なシステム連携や設定を必要とする従来型のRPAツールに対し、AIが視覚的にあらゆる画面を臨機応変に操作できる新たな技術は、非常に強力な競合となるためです。
AIは今や、チャット画面の中の賢い相談相手から、実際に私たちの代わりに手を動かして業務を遂行してくれる「自律型のデジタルな同僚」へと急速に進化を遂げています。Anthropicによる今回のVercept買収は、次世代の知的自動化市場において同社が主導権を握るための、力強い決意表明と言えるでしょう。