Episode Details
Back to Episodes
Ep.934 サムスンの逆襲──世界初「HBM4」出荷開始でAIメモリ戦争は新局面へ(2026年2月19日配信)
Description
AI半導体業界にとって、極めて大きなマイルストーンとなるニュースが飛び込んできました。本日、2026年2月12日、サムスン電子は業界で初めて「HBM4」の商用出荷を開始したと発表しました。
これまで、生成AIブームを支えるHBM(広帯域メモリ)の市場は、NVIDIAとの強力なパートナーシップを持つSK Hynixがリードしてきました。サムスンはその背中を追う形となっていましたが、この次世代規格「HBM4」において世界最速で出荷にこぎ着けたことは、まさに「王者の逆襲」を告げる狼煙(のろし)と言えます。
では、HBM4は何がすごいのでしょうか。最大の特徴は「道路の幅」が2倍になったことです。これまでのHBM3Eはデータの通り道が1024本(ビット)でしたが、HBM4では2048本に増えました。これにより、データの転送速度が劇的に向上し、AIモデルの学習や推論にかかる時間を大幅に短縮できます。
さらに注目すべきは、メモリの土台となる「ベースダイ」の進化です。これまでメモリ工場で作られていたこの土台が、HBM4からは最先端の「ロジック半導体(4nmプロセスなど)」で作られるようになります。これにより、顧客(例えばNVIDIAやGoogleなど)は、自分のAIチップに合わせてメモリの土台部分をカスタマイズできるようになります。つまり、単なる「記憶装置」だったメモリが、計算の一部を担う「パートナー」へと進化したのです。
サムスンは、このHBM4の売上が2026年中に前年比で3倍以上に拡大すると見込んでいます。NVIDIAの次世代GPU「Rubin」などが控える中、この新しいメモリがAIの進化速度をさらに加速させることは間違いありません。SK Hynixも追随する構えを見せており、2026年は韓国2大メーカーによる「HBM4頂上決戦」の年となるでしょう。