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Ep.854 日本人創業初の米ユニコーン「Alpaca」誕生──“金融のAPI化”が切り拓く新時代(2026年1月22日配信)
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日本のスタートアップ界隈にとって、歴史的なニュースが飛び込んできました。昨日、2026年1月14日、証券取引インフラを開発する米Alpacaが、企業価値11億5000万ドル(約1800億円)の評価を受け、日本人創業の企業として初めて米国でのユニコーン入りを果たしたことが明らかになりました。
今回のシリーズDと見られるラウンドでは、三菱UFJイノベーション・パートナーズに加え、米大手マーケットメーカーのシタデル・セキュリティーズ、仏BNPパリバ、そして元サッカー日本代表の本田圭佑氏が率いるファンドなどから、総額1億5000万ドルを調達しました。
Alpacaを率いるのは、元リーマン・ブラザーズの横川毅CEOと、データベースエンジニアの原田均CPOの日本人コンビです。2015年の創業後、米国の名門アクセラレーター「Y Combinator」に採択されたことで注目を集めました。彼らの武器は、金融の専門知識と高度なソフトウェア技術の融合です。
彼らが提供するのは「Brokerage as a Service」、つまり証券機能のクラウドサービス化です。従来、アプリ事業者が株取引機能を実装するには、巨額のコストと複雑なライセンス取得が必要でした。しかし、AlpacaのAPIを使えば、家計簿アプリやポイントアプリといった非金融サービスでも、手軽に米国株取引機能をユーザーに提供できます。現在、世界40カ国、300社以上の企業がAlpacaを採用しており、その顧客の8割は新興のフィンテック企業です。
Web上の情報を総合すると、今回の評価額急騰の背景には、同社が「自己清算(Self-Clearing)」体制を確立したことが大きく寄与していると考えられます。競合のDriveWealthなどがひしめく中、Alpacaは2024年から2025年にかけて、ナスダックなどの取引所や清算機関(DTCC)への直接接続を実現しました。これにより、外部業者に支払う手数料を削減し、高金利環境下での金利収入を最大化する収益体質を作り上げています。実際、2025年までの3年間で売上高は毎年倍増ペースで成長してきました。
今回調達した資金は、M&Aによる事業拡大のほか、アジアや中東でのライセンス取得に充てられる予定です。「米国を中心とした金融資産を、世界中から誰でも売買できるようにする」。創業時から掲げてきたこのビジョンが、いよいよグローバル規模で現実のものとなりつつあります。