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Ep.861 NVIDIA「H200」がまさかの生産停止──米国が許可したのに、なぜ中国は拒んだのか?(2026年1月22日配信)
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米中半導体戦争において、これまで見たことのない「逆転現象」が起きています。英フィナンシャル・タイムズやロイター通信は昨日、1月16日、NVIDIAの主要サプライヤーが、中国向け「H200」チップの部品生産を停止したと報じました。
事の発端は、今月に入って中国の税関当局が、NVIDIAのH200の輸入を事実上禁止する通達を出したことにあります。実はこの動き、業界にとっては大きなサプライズでした。なぜなら、先月2025年12月、米国のトランプ政権が方針を転換し、「25%の関税を上乗せする条件で、H200の中国輸出を許可する」と発表したばかりだったからです。
つまり、「米国は売っていいと言ったのに、中国側が買うのを拒否した」という、従来の「米国による封じ込め」とは真逆の構図が生まれたのです。
この背景には、中国政府による強烈な「国産シフト」の意志があります。現在、中国ではHuaweiの最新チップ「Ascend 910C」の量産が始まっており、その性能はNVIDIAの主力製品に肉薄しつつあると報じられています。もしここで高性能なH200が大量に流入すれば、ようやく育ってきた国内のAI半導体産業が潰されかねません。中国当局は国内テック企業に対し、「どうしても必要な場合を除き、H200を買わないように」と指導しており、事実上の禁輸措置となっています。
また、これは中国流の「交渉カード」とも取れます。トランプ政権が経済的利益(関税収入や企業利益)を優先して輸出許可を出した足元を見透かし、「我々はもう米国製に頼らなくてもやっていける」という自信、あるいはブラフを見せつける狙いがあるでしょう。
市場はこのニュースに敏感に反応し、NVIDIAの株価は1.4%下落しました。かつて「シェアゼロになる」と危惧されたNVIDIAの中国ビジネスは、米国の規制ではなく、中国の自国産業保護政策によって、本当に「ゼロ」に近づきつつあるのかもしれません。