Episode Details
Back to Episodes
Ep.837 Arm、ついにクラウドの“覇者”へ──シェア5割達成と「イザナギ」への野望(2026年1月15日配信)
Description
昨日の日経新聞に、非常に感慨深いニュースが載っていましたね。ソフトバンクグループ傘下の英Armが、AIデータセンター向けのCPU市場で、ついにシェア5割に達したというのです。
少し前まで「Armといえばスマホの会社」というイメージでしたが、ここ数年でその姿は劇的に変わりました。AWSやMicrosoftといった巨大クラウド事業者が、自社専用のチップをこぞってArmベースで開発し始めたことが大きな要因です。IntelやAMDといった長年の巨人を相手に、わずか5年余りでシェアの半分を奪うというのは、まさに歴史的な転換点と言えるでしょう。
この躍進の背景にあるのは、やはり「省電力」です。AIの普及でデータセンターの電力消費が社会問題になる中、Armの「少ない電力で高い処理能力を出す」という強みが、時代の要請と合致したんですね。2025年10月に発表されたMeta(メタ)との提携も、この流れを決定づける大きな一手となりました。
しかし、孫正義氏が見ているのは、もっと先の未来のようです。記事によると、Armは設計図を売るだけでなく、自社ブランドの半導体「イザナギチップ」の開発に乗り出します。
ここで注目したいのが、ソフトバンクグループの一連の動きです。2024年に買収したAIチップ企業のGraphcore(グラフコア)に加え、サーバー向けCPUを手掛けるAmpere Computing(アンペア)も傘下に収めました。これにより、設計図(Arm)、AIアクセラレータ(Graphcore)、サーバーCPU(Ampere)という、AIインフラに必要な駒が全て手元に揃ったことになります。
かつて孫氏が「囲碁で言えば50手先の布石」と語ったビジョンが、垂直統合型のAI半導体メーカーとして、いよいよ現実の形になりつつあります。もちろん、自社でチップを作ることは、これまでの顧客と競合するリスクも孕んでいます。それでも「AIにオールインする」という孫氏の覚悟が、Armを新たなステージへと押し上げているようですね。