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Ep.842 Cloudflare vs イタリア、「1.1.1.1」を巡る26億円の攻防──海賊版対策か、ネット検閲か(2026年1月15日配信)

Ep.842 Cloudflare vs イタリア、「1.1.1.1」を巡る26億円の攻防──海賊版対策か、ネット検閲か(2026年1月15日配信)

Season 1 Episode 842 Published 6 months, 2 weeks ago
Description

インターネットの「自由」と「規制」を巡る戦いが、イタリアで新たな局面を迎えました。イタリアの通信規制当局AGCOMは、米ITインフラ大手のCloudflareに対し、約1420万ユーロ、日本円にしておよそ26億円の罰金を科したと発表しました。


事の発端は、イタリアが国を挙げて取り組んでいる海賊版対策です。サッカーなどのスポーツ中継を違法に配信するサイトを撲滅するため、イタリア政府は「Piracy Shield(パイラシー・シールド)」と呼ばれるシステムを導入しています。これは、違法サイトが見つかると、インターネット接続業者に対して「30分以内」にそのアクセスを遮断させるという非常に強力な仕組みです。


AGCOMはCloudflareに対し、同社が提供するDNSサービス「1.1.1.1」においても、これらの違法サイトへのアクセスをブロックするよう命じました。しかし、Cloudflareはこの要求を拒否し続けてきました。 Cloudflare側の主張は明確です。「DNSリゾルバはインターネットの電話帳のようなものであり、特定の番号への通話を遮断するような検閲機能を持つべきではない」というものです。さらに、マシュー・プリンスCEOは「イタリアでの売上が800万ドル程度しかないのに、全世界の売上を基準に罰金を計算するのは不当だ」と強く反発。自身のX(旧Twitter)で「イタリア国外のユーザーが何を見るかまで、イタリア政府が決める権利はない」と述べ、サービス自体のイタリア撤退すら示唆しています。


このニュースは単なる一企業の罰金問題にとどまりません。技術者やプライバシー擁護派からは、特定の国がグローバルなDNSシステムの挙動をコントロールしようとすることへの懸念の声が上がっています。一方で、コンテンツ産業側からは、Cloudflareのようなプラットフォーマーが隠れ蓑になって海賊版被害が拡大しているという批判も根強くあります。


イーロン・マスク氏もCloudflare支持を表明するなど、テック業界全体を巻き込んだ論争に発展しつつあるこの問題。欧州で強まるネット規制と、米国テック企業の自由を重んじる文化の衝突として、今後の裁判の行方が注目されます。

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