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Ep.845 GPT-5.2、数学の未解決難問「エルデシュ問題」を撃破──AIが切り拓く“自動証明”の夜明け(2026年1月15日配信)
Description
今週末、AI業界と数学界を揺るがすニュースが飛び込んできました。Neel Somani氏が、最新のAIモデル「GPT-5.2 Pro」を用いて、長年の未解決問題であった「エルデシュ問題 #397」の証明に成功したのです。
この問題は、二項係数に関する特定の方程式に無限の解が存在するかどうかを問うものでした。GPT-5.2 Proはこの難問に対し、単に答えを出しただけではありません。検証ツール「Harmonic」と連携することで、AIが生成した証明を数学的検証言語「Lean」で記述し、論理的な穴がない状態にまで仕上げたのです。
そして、このAIによる証明を正式に「受理」したのが、現代最高の数学者の一人、テレンス・タオ氏です。2025年10月に話題になったGPT-5の事例では、既存の文献を見つけ出しただけというオチがありましたが、今回のケースについてタオ氏は「AIによるオリジナルの証明である」と認めています。
ただし、タオ氏は冷静な分析も加えています。今回解かれた問題は、標準的な手法で解決可能な「低い枝の果実(low hanging fruit)」であり、数学的な深いブレイクスルーではないとしています。実際、GPT-5.2は競技数学レベルでは77%の正答率を誇りますが、未知の洞察を要する研究レベルの課題ではまだ25%程度の成功率にとどまるとのことです。
しかし、これは知識労働における歴史的な転換点と言えます。AIが「パタンマッチング」を超え、自律的に論理を組み立てる「推論・証明」のフェーズに入ったことを意味するからです。今後6〜12ヶ月の間に、残る660以上のエルデシュ問題に対して、GoogleやAnthropicの競合モデルを含めたAIたちがどのように挑んでいくのか、そしてそれが契約実務やエンジニアリングといったビジネス領域にどう波及していくのか、非常に楽しみな展開となりました。