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Ep.821 100億年に1秒の刻(とき)──島津製作所の光格子時計が支える「日本標準時」の未来(2026年1月1日配信)

Ep.821 100億年に1秒の刻(とき)──島津製作所の光格子時計が支える「日本標準時」の未来(2026年1月1日配信)

Season 1 Episode 821 Published 7 months ago
Description

2025年も残すところあと数時間となりましたが、昨日の12月30日、日本の「時間」に関する非常に大きなニュースが飛び込んできました。私たちが普段スマホやテレビで見ている「日本標準時」を決めるための装置として、NICT(情報通信研究機構)が島津製作所の「光格子時計」を正式に調達することを決めました。


これまで、NICTは独自に開発した実験用の光格子時計を使って、標準時のズレを補正してきました。しかし、これはあくまで研究用機材だったため、故障すると修理に半年近くかかってしまうこともあり、常時稼働させるのが難しかったのです。今回、島津製作所が製品化した商用機を導入することで、万が一の故障時でもメーカーのサポートを受けて迅速に復旧できるようになり、インフラとしての安定性が格段に向上します。


このニュースの裏側にある技術的な背景についても触れておきましょう。 島津製作所が2025年3月に発売したこの時計は、価格が1台およそ5億円。高いと感じるかもしれませんが、その性能は「100億年に1秒しか狂わない」という驚異的なものです。従来のセシウム原子時計に比べて桁違いの精度を持っており、金融機関の超高速取引(HFT)や、センチメートル単位の精度が求められる次世代のGPS測位、さらには国の安全保障に関わる通信同期システムの根幹を支えることになります。


また、世界は今、2030年に予定されている「秒の再定義」に向かって動いています。現在の1秒の定義が半世紀ぶりに書き換わろうとしているこのタイミングで、日本発の技術である光格子時計が、実際に国家のタイムキーパーとして社会実装されることの意味は非常に大きいと言えます。


来たる2026年度、この新しい時計が稼働を始めれば、日本は世界で最も正確な時を刻む国の一つとして、次世代の科学技術をリードしていくことになるでしょう。

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