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Ep.769 DeepSeekの挑戦と抜け穴──NVIDIA製規制チップ「H100」での次世代モデル開発報道(2025年12月18日配信)
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みなさん、こんにちは。今日は、テック業界の裏側を少し覗き見るような、スリリングかつ考えさせられるニュースをお届けします。震源地は、信頼性の高い内部情報で知られる米メディア「The Information」のスクープです。
渦中にあるのは、中国のAIユニコーン「DeepSeek」です。彼らは今、OpenAIのGPT-4やその先のモデルに匹敵する性能を、驚くほど低いコストで実現し、世界中の開発者を驚かせています。しかし、その「速さ」の裏には、ある秘密があるかもしれません。
報道によると、DeepSeekは米国の厳しい輸出規制をかいくぐり、本来中国では手に入らないはずのNVIDIA製最高峰チップ「H100」を入手し、次世代モデルの学習に使用しているというのです。
少し背景を整理しましょう。米国政府、特にBIS(商務省産業安全保障局)は、中国のAI軍事利用を恐れ、H100のような最先端GPUの輸出を禁止しています。代わりに、NVIDIAは性能を落とした「H20」という中国向けチップを販売していますが、DeepSeekのような野心的な企業にとって、これでは世界一を狙うには力不足なのです。
では、どうやって彼らは「禁断の果実」であるH100を手に入れたのでしょうか? 取材によれば、それはまるでスパイ映画のような手法です。シンガポールや中東などの第三国を経由させたり、ペーパーカンパニーを使ったりして、少量のチップを分散して購入し、それを中国国内で再び集めるという「闇ルート」や「グレーマーケット」が活用されているといいます。
さらに技術的に驚くべきは、そうやってかき集めたチップを繋ぎ合わせ、一つの巨大なスーパーコンピュータ(クラスター)として稼働させている点です。通常、AIの学習には数千、数万個のGPUを高速なネットワークで接続する必要がありますが、出所の異なるチップを安定して連携させるには、相当なエンジニアリング能力が必要です。DeepSeekは、ハードウェアの制約をソフトウェアの最適化でカバーする技術力を持っていることが、ここでも証明された形です。
このニュースが示唆することは重大です。一つは、米国の輸出規制という「高い壁」が、実際には穴だらけであるという現実。もう一つは、ハードウェアのハンデを背負ってなお、DeepSeekが本気で米国の覇権を奪いに来ているという事実です。
もし彼らが、規制をものともせずにH100のフルパワーを使えるようになれば、米中のAI開発競争はさらに拮抗し、あるいは中国勢が追い抜くシナリオさえ現実味を帯びてきます。
規制当局である米国政府がこの報道を受けてどう動くのか、そしてDeepSeekが次にどんなモデルを世に送り出すのか。引き続き注視していく必要がありますね。