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第579回:AI時代にメールマーケティングはどうなっている?意義はある?しっかり「効果」も「意義」もあります

第579回:AI時代にメールマーケティングはどうなっている?意義はある?しっかり「効果」も「意義」もあります


Episode 579


第579回:AI時代にメールマーケティングはどうなっている?意義はある?しっかり「効果」も「意義」もありますラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

この記事で得られること

このページでは、AI時代におけるメールマーケティングの現状と、これから何を変えるべきかを整理しています。ざっと目を通してもらうと、次のようなポイントが分かるようになっています。

  • チャットツールやSNSが増えても、メールマーケティングが依然として強い理由と、今後5〜10年の見通し
  • 送信側と受信側、それぞれでAIがメールに与えている具体的な影響と、テクニック頼みが通用しにくくなる背景
  • これからのメールマーケティングで押さえるべき設計の考え方と、実際の始め方・ツール選定のポイント

結論から言うと、メールマーケティングは今も主力チャネルのひとつであり、AIによって「やりやすくなる部分」と「ごまかしが効かなくなる部分」がはっきり分かれてきているという状況です。テクニックを盛る前に、サービスや商品の設計と、要約されても伝わるメール内容に切り替えることが重要になります。

AI時代でもメールマーケティングが主力チャネルであり続ける理由

AIの話題やコンテンツマーケティングの話題が増える一方で、メールマーケティングそのものが語られることは以前より減っています。「チャットツールやSlackが普及したから、そろそろメールは厳しいのではないか」といった声も長くありますが、現場感としてはBtoBを中心に、メール経由のコミュニケーションは依然として非常に強いチャネルのままです。

「メールが弱くなった」と言われる場面の多くは、社内連絡や既存顧客との日常的なやり取りの話です。そこは確かにチャットツールに置き換わりました。ただし、見込み客へのセールスや情報提供のチャネルとして、メールの代わりになるものはまだ出てきていません

一時期、BtoCではLINEなどのメッセージングアプリがメールの代替になるのではないかと言われました。LINE公式アカウントからクーポンやお知らせを送る取り組みは成立していますが、メールマーケティングで行っているような腰を据えた「濃いコミュニケーション」までは置き換えられていない状態です。

大きな理由のひとつが公私の切り分

大きな理由のひとつが公私の切り分けです。メッセージアプリはどうしてもパーソナルなやり取りのイメージが強く、そこにセールスや会社からの情報を混ぜたくない、という感覚があります。LINEの有料プランを使えばプロフィールを分けることもできますが、あまり親切な設計とは言いにくく、現実としてはメールが使われ続けています。

BtoBではメールが主力

既存顧客との継続的な接点としても、特にBtoBではメールが主力のままです。代替手段として挙げられるチャットやメッセージアプリが、売上面で決定的な成果を出しているかというと、そうはなっていません。こうした状況からも、メールは今後しばらく主力チャネルであり続けると考えてよいです。

さらに、ゼロクリックサーチ(検索結果ページ上の要約やスニペットだけで用が足りてしまい、サイト自体にはアクセスされない検索行動)やブランド検索の増加によって、ユーザーは「信頼できる会社や個人を見つけたら、そこからの情報だけを追う」という行動に寄っていきます。そのときにダイレクトに届く手段としてのメールは、むしろ価値が上がっていると言えます。

送信側から見たAIとメールマーケティング

AIとメールの関係で、まず押さえておきたいのが送信側のAI活用です。ここは昔から「最適化」という文脈でさまざまな機能がありましたが、今はそれが本格的にAIとして組み込まれたツールが増えています。

AIで楽になる仕事:コンテンツ作成と配信のPDCA

Validityのレポート「The State of Email 2025 from Litmus」と、それを参照しているNukesendの「2025 AI Email Marketing Trends」などによると、メールキャンペーンでAIを使っているマーケターはすでに多数派で、クリック率や売上でも非AIより良い結果が出ていると整理されています。

メールマーケティングは、しっかりやろうとするとどうしても手がかかるチャネルです。件名を考え、本文を書き、配信時間を決めて、ABテストをして、ステップメール(あらかじめ決めたシナリオで自動配信するメール)を設計して……と、一通りやろうとするとかなりの工数になります。

そこで今大きく効いているのが、コンテンツ作成と配信のPDCAに対するAIの支援です。具体的には次のような部分です。

  • 件名の案出しとテストパターンの生成
  • 配信時間の最適化(読まれやすい時間帯の自動判定)
  • ステップメールやキャンペーンシナリオの構成案やトピック案の生成

こういった領域はAIが非常に得意です

こういった領域はAIが非常に得意です。海外の調査では、以前は「メール1通の制作に2週間以上かかる」と答えていたチームが全体の6割以上だったところ、AI活用が進んだ結果、それが1桁台まで減ったというデータも出ています。コンテンツ作成がボトルネックでメールマーケティングに踏み出せなかった方にとっては、今はかなり良いタイミングになっています。

これまで、ステップメールのシナリオ作成や、「メール登録+ダウンロードコンテンツ」のようなフロントエンド商品(最初の接点づくり用の小さめのオファー)づくりが重くて手を付けられなかった場合も、今はAIを活用することで一気に形にしやすくなります。メールの中身を考える負荷が下がることで、「やりたいけれど時間がない」状態から抜けやすくなるという実感があります。

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Published on 2 weeks, 3 days ago






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