Episode 570
今回は、先日マイナーチェンジが報じられたGoogleの「Google検索品質評価者向けガイドライン」について、Web担当者が知っておくべきポイントをまとめています。このガイドラインがどのようなもので、Webサイトの評価にどう関わってくるのかを知っておくと、次の一手や優先順位付けにプラスになると思います。
「Google検索品質評価者向けガイドライン(Search Quality Rater Guidelines)」とは、Googleが検索結果の品質を評価するために、世界中にいる人間の評価者(クオリティレーター)に渡しているマニュアルのことです。評価者はこのマニュアルに沿って様々なウェブサイトを評価します。その評価結果が、直接的に特定のサイトの順位を上げ下げするわけではありません。
今回の変更はマイナーチェンジであり、Webサイト運営の方針を大きく変える必要はありません。主な変更点は、AIや自動生成コンテンツに関する評価基準がより詳しくなったことです。
これは、昨今増え続けるAI生成コンテンツに対して、品質の低いものを排除し、検索結果の質を担保しようとするGoogleの姿勢の表れと言えます。
品質評価者の評価が、直接サイトの順位を決めるわけではないというのがGoogleの公式な言葉です。しかしそう聞くと「では、気にする必要はないのでは」と思われるかもしれません。
しかし、そういうわけではありません、この評価は間接的に、しかし非常に重要な形で検索アルゴリズムに影響を与えています。
「クォリティレイターの評価は RankEmbed 系の学習に“教師ラベル/監督信号”として実際に使われており、したがって最終的なランキングに間接的に影響を与える仕組みなのです。
FastSearchなどのAI mode や AI Overview などの関係でFastSearchという物も絡んできます。詳細は以下のブログをご覧下さい。
【SEO面の要点】Google独禁法訴訟・連邦地裁判決文(1436)[NavboostやGLUEなど内部名・役割・ユーザー行動の評価など]
評価者による「このページは最高品質だ」という判断は、GoogleのAIモデルにとっての「正解データ」となります。
この仕組みは「教師あり学習」と呼ばれ、評価者の判断を学習させることで、AIモデルが「良いサイトとは何か」を理解し、その精度を高めていきます。
この学習済みモデルが、最終的に検索結果を生成するアルゴリズムに組み込まれていくのです。
つまり、評価者の判断基準であるガイドラインの内容は、Googleが目指す検索結果の方向性そのものを示していると言えます。
そのため、私たちはこのガイドラインを理解し、それに沿ったサイト作りを心掛けることが重要になります。
では、Web担当者として、このガイドラインをどのように業務に活かせばよいのでしょうか。
結論から言えば、今まで通りのことを、裏側の仕組みをおさえつつ行うということです。
いわゆる従来のSEOもそうですし、生成AIなどの仕組みを押さえた上で情報を効率的に伝達するという意味での、GEO/LLMOについてもおさえておく必要があると思います。
※GEO/LLMOについては、
の2つがあると感じていますが、主語が大きいという意味で”どっちもどっち”だと思います。必要な事を必要なだけやればいい、くらいでいきましょう。
このガイドラインは、元々Googleの内部資料でした。約10年前に情報が漏洩したことをきっかけに、Googleが公式に公開するようになったという経緯があります。
こうした背景や、評価がアルゴリズムに与える仕組み(教師あり学習など)を少しでも知っておくと、外部の業者から「これをすれば順位が上がる」といった短絡的な提案を受けた際に、その妥当性を自分で判断する助けになります。
今回の品質評価者向けガイドラインの変更は軽微なものでしたが、これを機に、Googleがどのようなサイトを評価しようとしているのか、その本質に立ち返ることが大切です。
小手先のテクニックに走るのではなく、ガイドラインに示されているような、ユーザーにとって価値のある、信頼できる情報を提供していくことが、結果的にGoogleからの評価を高めることに繋がります。
ぜひ、自社のサイト改善の指針として、このガイドラインの考え方を参考にしてみてください。
Published on 1 month ago
If you like Podbriefly.com, please consider donating to support the ongoing development.
Donate