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長期休暇の情報収集「手段」と「課題」を分けるだけで、得られるものが2倍以上になる
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ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。まとまった休みに、積んでおいた本や、あとで読もうと保存していた記事に手を伸ばす方もいらっしゃると思います。今日は、以前メルマガでも触れた「ノウハウの収集を楽にする見方」を、改めてお話しします。
情報を読んだときに「難しい」「自分にはまだ早いかも」と感じても、捨てずに拾える見方があります。ポイントは、書かれている内容を手段(How)と課題(What)に分けて眺めることです。手段まで飲み込めなくても、課題のほうだけ持ち帰れれば、得られるものは一気に増えます。
このPodcast/書き起こしで得られること(要点)
- 「何を改善したら良くなるか」を先に抜き出せるようになります。
- ツール名が難しくても、ヒントだけ拾って自分たちのやり方に置き換えられます。
- 100%を狙わず、まず1工程だけ軽くする判断がしやすくなります。
情報が頭に入らないのは、HowとWhatを同時に抱えようとするから
ネットの記事や書籍を読んでいて、「できたらいいとは思うけれど、どうやって実現するのか分からない」と感じることがあります。
これは、What(何をやるか/何が良くなったか)とHow(どうやってやるか)が一緒に出てくるので、どちらも理解しようとして止まってしまうからです。特にWebやデジタルに苦手意識があると、見慣れない単語が出た時点で読む手が止まりやすいんですよね。
もちろん、今はデジタルに触れずに仕事を回すのが難しくなりました。ただ、短期間の詰め込みで身につくものでもありません。だからこそ私は、吸収の入口だけでも広げるために、HowとWhatをいったん切り分ける読み方をおすすめしています。
デジタルの話題が増えた今こそ、Whatだけを拾う癖が役に立つ
最近は、一般向けのニュースでも人工知能(AI)やデジタルトランスフォーメーション(DX)といった言葉が普通に出てきます。
業務を改善しようと思えば、ディープラーニング(深層学習)やアルゴリズム、クラウドといった話題に自然と行き当たります。情報が増えるのは当然なのですが、そのまま全部を噛み砕いて自社に入れるのは、現実的にはなかなか大変です。
私自身も、正直「そこはまだ腑に落ちていないな」という部分があります。成功事例を見ても、人材に余裕のある会社の話が多く、同じようにやるのは難しいと感じることもあります。けれど、だからといって見ないようにしてしまうと、もったいないんです。
事例は「手段」と「課題の解決」を分けて読む
たとえば、コロナ禍の頃は「この仕組みを使って、こういう問題を解決しました」という事例が大量に出ました。
こういう話題は、どうしても手段が前に出てきます。けれど手段はあくまで道具なので、まずは「何を解決したのか」「解決すると何が良くなったのか」に目を向けてみてください。
私がよく例に出すのが、Google Cloudの顧客事例として紹介されている、くら寿司さんの取り組みです。タイトルだけ見ると「GKE」や「Edge TPU」といった単語が並び、そこで身構えてしまう方も多いと思います。実際、私もこの業界にいなかったら、クラウドと付いた時点で「難しそうだな」とページを閉じていたかもしれません。
参考として、こちらのページです:Google Cloud 公式ブログ:くら寿司:GKE や Edge TPU などを駆使して来店から会計までを完全自動化し、新しい生活様式のためのサービスを提供。
Howを外すと、Whatがすっと残る
記事の中身を、あえて手段抜きで眺めると、持ち帰れる要点が見えてきます。たとえば次のような話です。
- 入店から会計までを従業員の仕事にしない形にできれば、業務負担が減る。
- 注文に必要な機材を買い足さなくて済mえば、固定費を抑えられる。
- お客さまが「自分でやれる」体験を好むようになれば、顧客満足度が上がる。
こうしてWhatだけを抜くと、「テーブルで金額が分かって、その場で決済できたら楽だな」とか、「レジに人を張り付けなくて済むなら助かるな」とか、考えが具体的になってきます。
さらに「一番忙しい時間帯に合わせて設計しないと、エラーが起きたときに困るな」といった注意点も、素直に入ってきます。
Whatが分かると、実現の道筋は一つに決まらない
次に面白いのは、Whatが分かると「同じ課題を別のやり方でも解けるかもしれない」と発想が広がることです。
デジタルを使うにしても使わないにしても、選択肢を並べられるようになります。私はここが、情報収集の実りがあるところだと思っています。
- 「汚れたものに触る回数を減らしたい」という課題なら、機械を入れるだけでなく、盛り付けや下げ方、レイアウトを見直すだけでもいい
- 採用が難しいなら、「どんな作業が減るのか」「どこまで自動化できているのか」を求人に書くだけでも、求職者の反応が変わる
- 注文の完全なデジタル化が難しくても、紙の運用をいったんやめて、スマートフォンやタッチパネルに寄せてみる
- 会計のところだけでも、金額に合わせたQRコードをテーブルで提示できるようにするなど、小さく導入する
全部を一気に変えなくていい。50%でも現場は楽になる
Googleの事例は、はじめから終わりまで作業フローがきれいに変わり、「すごく楽になりました」とまとめられています。
けれど、現場の実感としては、1工程だけでも負担が減れば、気持ちが軽くなるわけです。そして私はむしろ、その「一部だけ変える」を積み重ねるほうが続きやすいと感じています。
- ミスが減って、確認の回数が減る。
- 「ここが心配だから見ておかなきゃ」という箇所が減る。
- 覚えておくべきことが減り、引き継ぎもしやすくなる。
全部を解決しようとすると、なかなか前に進みづらいもの。けれど「ここならできそうだな」という範囲に区切って着手すると、やることが見えてきます。小さな改善の繰り返しで、できることが少しずつ増えていけばいいのです。
続けるために、モチベーションを守る
スキルが先で、やる気が後、という順番ではないと私は思っています。
やる気が保てれば、必要なスキルは後から追いかけられます。
無理に気合いを入れるより、「一つ進むと次が見える」状態を作るほうが自然です。
もし誰かに任せて進めるなら、お願いするだけでは続きません。やった分が報われるように、評価や手当などの形を用意して、前向きに回る設計にしておくと良いですね。そうすると、手段の学習も含めて、少しずつ前に進めます。是非みなさんも一歩踏み出してみて下さいね。