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第486回:WEBマーケティングで「ゼロ→イチ」は作れない

第486回:WEBマーケティングで「ゼロ→イチ」は作れない

Episode 486 Published 2 years, 4 months ago
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ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。今が2023年10月22日の0時16分ということで、深夜に録っています。今週は予定が重なりに重なって、週のはじめは「これ乗り切れるのかな」と思っていましたが、なんとか形にできました。

このPodcast/書き起こしで得られること(要点)

WEBマーケティングは、テクニックで売る時代ではなくなってきています。

「ウェブで売る」発想のまま手段を追加するほど、むしろ逆方向へ進んでしまうケースが出てきました。いま起きている買い手側の変化を整理しながら、これからの改善のスタート地点をどこに置くべきかを掘り下げます。

  • 「ウェブで売る」ではなく「ウェブも使って売る」へ切り替える理由
  • 2000年代〜2010年代の変化と、2020年代の変化の“質”の違い
  • テクニックが不利に働く場面と、これから優先すべき見直しポイント

静岡市産業交流センターのセミナーをやってきました

今週のトピックとしては、少し長めのWebセミナーを一般向けに行ってきました。主催は静岡市産業交流センター(静岡市中小企業支援センター)で、静岡だけでなく全国から参加できる形です。

内容は「ポストコロナのWEBマーケティングの基本とは」というテーマで、結果的に2時間半ほど話しました。普段のPodcastはひとつの論点を掘る形が多いのですが、セミナーなので広めに扱っています。アーカイブ動画は公開済みなので、よければこちらからご覧ください。ポストコロナのWEBマーケティングの基本とは(アーカイブ動画)

YouTube Video

メモを取りながら聞いてくださる方が多くて、こちらも背筋が伸びました。地元でもやりたい気持ちはあるのですが、先に予定が埋まっていることも多いので、他地域でも希望があればお声がけいただければと思っています。

「ウェブで売る」から「ウェブも使って売る」へ

今回のセミナーで中心に置いたのは、お客さんの変化です。コロナは変化を生んだというより、進む速度を上げただけで、ここ5年ほどで買い手の感じ方がはっきり変わりました。

そこで、これまでの10年・20年の考え方のままでは、売れ方が戻りません。私はここを、「ウェブで売るんじゃなくて、ウェブも使って売る」という言葉で整理しています。ウェブの力がゼロになったわけではなく、ウェブ“だけ”でどうにかする発想が苦しくなった、ということです。

第一波:情報の非対称性が一部解消された(2000年代〜2010年代)

ここ15〜20年の変化を振り返ると、まず大きかったのが「情報の非対称性(売り手と買い手で持っている情報が違う状態)」がほどけていったことです。以前は、売り手が持っている情報を、買い手が手に入れにくかったわけですね。

たとえば複合機のような商材で、飛び込み営業が成立していたのは、買い手が自分で情報を集めにくかったからです。比較するにはカタログを取り寄せるしかなく、しかも比較の仕方も難しい。だから「聞いてみるしかない」が起きやすかった。

それがウェブで検索できるようになると、営業が来ても「うちはもう足りている」「その切り口は検討しなくていい」が事前に判断できるようになります。結果として飛び込みはやりづらくなり、営業活動そのものの設計が変わっていきました。

売り手側は「比較される前提」を受け入れる必要が出てきた

情報が広がると、売り手側は楽になったわけではありません。比較される前提で、ホームページ上に必要な材料を出す必要が出てきました。

顧客事例、お客様の声、よくある質問の整理(FAQ化)、そして不安を先回りして消す説明。こうした“鉄板”が求められるようになり、それに追いついた会社が反響を伸ばしていった。これは多くの業界で共通していたと思います。

第二波:企業が語ることを「基本的に信じない」へ(2020年代)

そして、この5年弱でもう一段、大きな変化が起きました。端的に言えば、企業側が発信していることを、以前より基本的に信じない方向へ動いた、と捉えたほうがいいです。

背景にあるのは「加工する体験が、買い手側に広がった」ことです。リモートワークで背景をぼかす、顔色を整える、画面上の見え方を調整する。動画も写真も、思ったより簡単に編集できることを、多くの人がこの数年で体験しました。

“きれい”が、安心ではなく警戒に変わる瞬間がある

加工できる側に立つと、受け取り方が変わります。以前なら「いい写真だな」「いいことを言っているな」で止まっていたものが、今は「作り込んでいるのでは」「素材では」「なぜ中の人が出てこないのだろう」といった疑いが先に立つ場面が増えました。

この変化は、WEBマーケティングの前提を一段変えます。テクニックを使って“良く見せる”ほど、かえって不信のきっかけになることがある。つまり、テクニックに寄った施策は、使った時点でマイナス側から始まりやすくなっています。

営業心理学の「型」も、逆方向へ転びやすい

ここでいうテクニックは、見せ方の工夫だけではありません。

営業心理学で語られがちな「返報性の原理(何かしてもらうと返したくなる)」「単純接触効果(接触回数が増えると好意が生まれる)」「バンドワゴン効果(みんなが選ぶものに乗りたくなる)」のような“型”も含みます。

ところが今は、こうした型がそのまま通じません。むしろ「うっとうしい」「意図が透けて見える」「不快に感じる」で終わってしまうことが増えています。とくに、これから消費の中心になっていく世代ほど、その傾向は強く出やすいと感じています。

WEBマーケティングで「ゼロ→イチ」は作れない

ここまでの話をまとめると、2000年代〜2010年代に「ウェブとテクニックである程度売れた」ことのほうが、むしろ特殊だったのだと思います。いまは、そこに頼ると崩れやすい。だから私は、WEBマーケティングで「ゼロ→イチ」は作れない、と考えています。

何もないところから、見せ方だけで一気に立ち上げる。そういう発想は、いまの買い手の目線では成立しにくいです。結局は、商品・サービスの中身と、売る側が相手の不安を増やさず寄り添えるかどうか。そこへ戻ってきた、という感覚を持っています。

インサイドセールスと混同しない

ここでよく混ざりやすいのが、いわゆるインサイドセールスです。インサイドセールスは「社内から外に向けて行う営業」という枠組みで、話しているのはそこではありません。

私が言いたいのは、買い手が疑って見る前提に変わった以上、「不安を覚えずに自然と来てもらい、ニーズに応えられることを示し、ここならいいと思える道のりをつくる」ことが必要になっている、という点です。いまは、たくさんの会社を丁寧に比較して選ぶ人が減っています。だからこそ、最初に感じる不安を増やさない設計が大切になります。

回復しない・成約率が上がらないときに見るべきもの

コロナが落ち着いて「戻るはず」なのに、数字が戻りきらない。商談率はそこまで変わらないのに、成約率が上がらない。こういう状態が出ているなら、こちらの施策以前に、お客さん側の心理の変化を捉え切れていない可能性が高いです。

そこでやるべきことは「次のテクニックを探す」ではありません。いまのお客さんを理解することが最初です。お客さんが何を疑い、どこで身構え、どんな状態なら安心して前へ進めるのか。そこに向き合った会社が、2023年・2024年・2025年の環境でも、抜けていけるはずだと思っています。

Podcastの話:ナンバリングを戻しました

最後に少し雑談です。Podcastも連番を戻しました。ほぼ日配信のような形をやろうとして一年ほど回してみたのですが、結局、毎回だらだら長く話してしまうわ、動画は撮る時間がないわで、いっ

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