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第488回:Webマーケティングにおいては最新情報よりも 「その後どうなったか?」 が、むしろ重要

第488回:Webマーケティングにおいては最新情報よりも 「その後どうなったか?」 が、むしろ重要

Episode 488 Published 2 years, 4 months ago
Description

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

トレンドの話題って、出た瞬間はどうしても目に入りますよね。けれどWebマーケティングで本当に役に立つのは、「出たこと」そのものよりも、「その後どうなったか」を追いかけたときに残る情報だと感じています。

このPodcast/書き起こしで得られること(要点)

今回お伝えしたいのは、ニュースやトレンドを“仕掛け”として眺めるのではなく、結果が見えてから学びに変えていく姿勢です。具体的には、次のような視点を持ち帰れます。

  • 話題になった取り組みを「半年後・1年後」に見直して、事業化できたかを確かめる見方
  • 成功・失敗の分岐点を探し、次に自社が仕掛けるときの判断材料にする考え方
  • 人が「誰の価値観なら預けられるのか」を、現場の事例から読み解く視点
  • 忘れないために、未来の自分へ“確認タスク”を渡すシンプルな習慣

新しい話題は拾いやすい。でも、学びは残りにくい

新しいニュースは、社内でも共有しやすいですし、頭にも残りやすいものです。ただ、その瞬間に「今はこれが流行っている」「この方向性が受ける」とまとめてしまうと、どうしても“気分”で終わりやすくなります。

ニュースが出回っている段階は、まだ打ち出し直後です。ここから本当に広がるのか、収益につながるのか、事業の柱になっていくのか。そこまで見届けて初めて、「使える情報」になります。

配膳ロボットは、静かに広がって“結果”が見えた

たとえば飲食店の配膳ロボットです。最初は一部の店が導入している程度で、日常の中で見かける人だけが「増えてきたな」と感じるものだったと思います。

ところが最近は、ファミリーレストランなどでも見かける機会が増えました。すかいらーくグループのように導入が目立つところもあり、参入する会社が増え、技術の進歩やコストダウンも進んでいる。買い切りだけでなく、月額に近い形の契約も出てきて、導入のハードルが下がっている印象があります。

ここで大事なのは、「配膳ロボットが話題になった」ではなく、「導入が広がり、選択肢も増え、買い方まで変わってきた」という“その後”です。こういう変化は、追いかけないと見えにくいんですよね。

Pepperは話題になった。でも、同じ広がり方は見えにくかった

一方で、話題性はあったけれど、その後に同じ型で広がり続けたようには見えないものもあります。代表例として思い出しやすいのが、人型ロボットのPepperです。

もちろん当時と今では技術水準も違いますし、単純比較はできません。それでも、似た立ち位置の製品が当たり前に増えていったかというと、私の感覚ではそうではありません。店頭で見かけても活用し切れず、置かれたままになっているように見える場面もあります。

この差を見ておくと、「初動のプロモーションで話題を作る」ことと、「事業として根付く」ことは別物だと、腹に落ちやすくなります。

有隣堂×KADOKAWAの“アバター書店員”は、まさに追跡したい事例

今回、私が「追いかけてみたい」と思ったのが、有隣堂さんとKADOKAWAさんの取り組みです。書店の店頭にアバターを置いて、商品をおすすめしたり、相談に乗ったりする。日経クロストレンドの2023年10月26日の記事で知りました。

ここで大切なのは、現時点で「良い・悪い」を決めることではありません。走り出したばかりの段階なので、今は“仕掛け”です。これが横展開していくのか、じわっと消えていくのか。その分岐に、見たいものがあります。

ポイントは「価値観を、どこまで他人に預けられるか」

最近は、自分の価値観や判断基準を、誰かに寄せて決める場面が増えているように感じます。自分で一つひとつ比較して損を減らすより、誰かのおすすめに沿って選ぶ。あるいは時間対効果を優先して、迷う時間を短くする。そういう流れですね。

このとき、多くの人は有名人や、広く知られた発信者の価値観に寄せがちです。ところが今回の事例は、そこではありません。画面の向こうは「有隣堂の書店員さん」で、顔も分からないし、その人が“誰か”という権威も前提にしにくい。にもかかわらず、そのおすすめを信じて買う人が増えるなら、「身近な専門家」でも価値観を預けられる時代に入っていく、という見立てができます。

もし広がらなかったら、何が分かるのか

逆に、うまくいかずにフェードアウトするなら、可能性は二つ考えられます。一つは、価値観を預ける相手は、まだ“共通認識で安心できる存在”でないと難しいということです。そうなら、仕掛ける側は「受け入れられやすい人物」や「分かりやすい信用」を借りる必要が出てきます。

もう一つは、そもそも「好みを聞いておすすめを返してもらう」という行動自体が、思ったほど魅力的ではない可能性です。書店には昔から、ベストセラー棚やおすすめコーナーがあります。そこで買うのは、推薦者を信じているというより、「大きく置いてある」「多くの人の目に触れている」ことによる安心感、つまり群れの心理に近い力が働いているのかもしれません。

もし店頭企画と、1対1のやり取りで反応が変わるなら、「人は何を信じて買っているのか」が少し見えてきます。データ(売れているランキング)を信じているのか。担当者の“私のおすすめ”を信じているのか。それとも「そこに置いてある空気」を信じているのか。ここが見えてくると、次に何を打ち出すべきかが変わってきます。

結局、いちばん効くのは「あとから確認する」習慣

今回の話は、これだけでも十分に考えごたえがあります。実はもう一つ「没入型EC」という別の話題も触れるつもりだったのですが、今回はここまでにしました。鼻が通りにくくて、しゃべり続けると声が出にくくなってしまってですね。

最後に、いちばん手堅いやり方を一つ。話題になったニュースを見たら、カレンダーに「6か月後に確認」とメモしておくことです。半年後に見直して、「あれは結局どうなった?」と自分に問い直す。地味ですが、これを続けるだけで情報収集の質が変わってきます。

関連リンク

FAQ

トレンド記事を読んだとき、まず何を意識するとよいですか?

その話題を「流行っている」とまとめる前に、いまは打ち出し直後の“仕掛け”かもしれないと捉えます。半年後・1年後に事業化しているかを見届ける前提で読むと、情報の残り方が変わります。

「その後どうなったか」を追うと、何が見えてきますか?

話題性と収益化は別だ、という当たり前のことが、具体例で腹に落ちます。どの条件がそろうと広がり、どこで止まるのかが見えてくるので、次に自分が仕掛けるときの判断材料になります。

配膳ロボットの例から学べるポイントは何ですか?

ニュースになったかどうかより、導入が広がり、参入企業が増え、コストや契約形態が変わっていくかどうかです。日常の現場での広がりを“結果”として捉えると、流行ではなく事業の動きが見えます。

有隣堂のアバター書店員で注目すべき点はどこですか?
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