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第548回:GoogleマップへのAI-FAQチャット機能追加はWebサイトの意義が問われる出発点か

第548回:GoogleマップへのAI-FAQチャット機能追加はWebサイトの意義が問われる出発点か


Episode 548


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ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

会社と経営者を強くする実践ウェブ活用ポッドキャスト、今回はGoogleマップの新しいAI機能が、私たちのウェブサイトのあり方にどのような影響を与えるかについて掘り下げていきます。この変化は、私たちが想定しているよりも速いスピードで訪れるかもしれません。ぜひ最後までお付き合いください。

GoogleマップにAIチャット機能が登場、Webサイトの意義が変わる時代の幕開けか

先日、Search Engine Journalで興味深い記事が公開されました。モバイル向けのGoogleマップに、AIを活用したQ&A機能が導入され始めているというのです。これは現在、アメリカの一部の業種で限定的に展開されている機能で、従来のGoogleビジネスプロフィール(GBP)のQ&A機能に代わるものとして位置づけられています。

この流れは、Googleが検索をはじめとする様々なサービスにAIによる回答生成機能(AIサーチ)を組み込んでいく大きな動きの一部です。この変化の波は、いずれ日本にも到達するでしょう。その時、私たちのホームページはどのような役割を担うべきなのでしょうか。そして、マップからの集客を考える上で、今から何を準備しておくべきなのでしょうか。この記事を読み解きながら、一緒に考えていきましょう。

Googleマップに実装され始めた「AIによるQ&A機能」とは

これまでGoogleマップには、ユーザーが質問し、他のユーザーやオーナーが回答するユーザー生成型のQ&A機能がありました。しかし、この機能には不正確な情報や、意図的に悪意のある情報が紛れ込むという問題点が指摘されており、以前から廃止が示唆されていました。

そして、その代替として登場したのが、AIによるQ&A機能です。これは単に既存のQ&Aがなくなるだけでなく、より高度な機能へと進化しています。

この新しい機能は、ChatGPTやPerplexityのようなAIチャットツールに近いものと考えてください。事前に用意された質問に答えるだけでなく、ユーザーが自由な言葉で質問を入力できます。例えば、レストランのプロフィールに対して「午後5時からチキンのソテーは注文できますか?」といった具体的な質問を投げかけることができるのです。

これは、言わば「そのお店の情報だけを情報源としたチャットAI」が、各ビジネスプロフィールに搭載されるようなイメージです。これにより、ユーザーはより手軽に、そして対話形式で知りたい情報を得られるようになります。

AIはどの情報を参照して回答を生成するのか

では、このAIは一体どこから情報を得て回答を生成するのでしょうか。気になる情報源ですが、Search Engine Journalの記事でテストされた結果によると、主に自分たちでコントロール可能な範囲のデータが使われているようです。具体的には、以下の3つが挙げられます。

  1. Googleビジネスプロフィール(GBP)に登録された情報(サービス内容、営業時間など)
  2. ユーザーから投稿されたレビュー内の文言
  3. GBPに登録されている自社ウェブサイト内の情報

重要なのは、飲食店や旅行系のポータルサイトのような、第三者が運営するサイト(サードパーティーデータ)の情報は、意図的に検索してもなかなか表示されないほど、参照されにくいという点です。AIが自社の情報だけでは回答を生成できない場合に限り、ニュースサイトやFacebookページといった「信頼できる第三者のウェブサイト」を参照するケースも確認されていますが、基本的には自社で発信した情報が最優先されます。

レビューに関しても、AIは肯定的な評価と否定的な評価の両方を参照し、総合的な回答を生成しようとします。これは、Amazonの商品ページに表示される「レビューの要約」機能に近い考え方と言えるでしょう。

AI-Q&A機能が導入されない業種

なお、この機能は全ての業種に導入されるわけではありません。記事によると、主に以下の3つのカテゴリーに該当するビジネスでは表示されないようです。

  • 命に関わるもの:医療、カウンセリング、福祉、リハビリテーションなど。
  • スパム的な行為が多発しているもの:アメリカの例では、鍵屋、引っ越し業者、ガレージのドア業者などが挙げられています。
  • 法規制が関わるもの:銃、タバコ、合法地域でのマリファナ販売店、出会い系サービスなど。

どの業種で有効になるかは、GBPで設定している「メインカテゴリー」に依存すると考えられます。同じ組織でも、登録カテゴリーが異なるとAI機能の表示・非表示が分かれるケースが報告されています。

これからのWebマーケティングはどう変わるのか

このGoogleマップの動向は、今後のウェブマーケティング戦略に大きな影響を与えます。特に重要な変化は、「ゼロクリックサーチの増加」と「ウェブサイトの役割の変化」です。

Googleビジネスプロフィールは「第二のウェブサイト」になる

AIが参照する情報の中心がGBPと自社サイトである以上、これらの情報をいかに充実させ、最新の状態に保つかが極めて重要になります。特にGBPは、もはや単なる地図上の目印ではありません。記事でも言及されているように、「第二のウェブサイト」として扱うべきです。

情報が古かったり、不足していたりすると、AIは正確な回答を生成できず、機会損失につながります。例えば、ウェブサイトに古いキャンペーン情報が残っていると、AIがそれを「現在も開催中」と誤って回答してしまうかもしれません。迷惑を被るのはお客様ですが、最終的に損をするのはビジネスオーナーである皆さん自身です。

特に、チェーン展開されている店舗の場合、各店舗の情報をどうウェブサイトで管理し、GBPと連携させるかは難しい課題です。店舗一覧ページに全店舗の情報をまとめているケースが多いですが、AIが個別の店舗情報を正確に切り分けて認識できるかは、まだ未知数な部分があります。

「ゼロクリックサーチ」の増加とウェブサイトの役割の変化

この新しいAI機能が普及すれば、ユーザーはわざわざウェブサイトを訪問しなくても、Googleマップ上で必要な情報を得られるようになります。これは「ゼロクリックサーチ」と呼ばれる現象をさらに加速させるでしょう。

そうなると、ウェブサイトの役割も変わってくる可能性があります。極端な見方をすれば、ウェブサイトは、GoogleのAIに正確なデータを提供するための「データベース」としての役割が強くなるかもしれません。初回接触のユーザーは、まずGoogle上のAI機能で疑問を解消し、皆さんのビジネスを認知します。そして、リピーターやより深い情報を求めるユーザーだけが、ウェブサイトを訪れるようになる、という流れです。

これは、自分たちのサイトのアクセス数だけにこだわる時代の終わりを意味するかもしれません。サイト外での顧客接点をいかに最適化し、トータルでビジネスを成長させていくか、という視点が求められます。

サイトに来なくても選ばれる「ブランド力」の重要性

ゼロクリックサーチが主流になると、顧客の頭の中で「第一想起」される存在、つまりブランドとして信頼されているかどうかが、これまで以上に重要になります。情報過多の現代において、人々は「何を」言うかよりも「誰が」言うかで情報をフィルタリングする傾向が強まっています。

「この会社は信頼できる」「誠実なビジネスをしている」という印象が育てば、たとえ専門外の新しいサービスを始めても、「あの会社がやるなら良いものだろう」と選んでもらえる可能性が高まります。ウェブサイトに来てもらう前の段階で、いかにお客様の中に良いイメージを蓄積できるか。SNSでの発信内容も含め、あらゆる企業活動がブランディングに直結する時代になっていくでしょう。

今、私たちが取り組むべきこと

では、こうした未来に向けて、具体的に何をすれば良いのでしょうか。

Googleビジネスプロフィールは専門業者に任せず、自社で管理しよう

まず、GBPの情報を常に最新かつ正確に保つことです。所在地の確認でマップを見る人も多いため、マップ経由の集客がメインでないビジネスでも、メンテナンスは必須です。

最近、「MEO対策」や「ローカルSEO」を謳う営業が増えていますが、GBPの管理は自分


Published on 11 months ago






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