Episode 550
ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
この記事では、AI検索・AIサーチが当たり前になっていく中で、 「情報発信ができない会社」がどんどん不利になり、 勝ち組と負け組の二極化が加速していくという話をしています。 その上で、今から具体的に何を整え、どう動いていくべきかを、 現場での経験を交えながらお伝えします。
収録当時の考え方に加えて、2025年時点でのAI検索やツールの最新状況も、 引用元付きで補足しながら整理していきます。
少し前までは、私自身も「AIが本格的に検索の主役になるのは、もう少し先だろう」と考えていました。 人間の検索行動にはクセがありますし、検索エンジンに入力するキーワードも、ある意味長年の習慣です。 その習慣が丸ごとAIに置き換わるには、時間がかかるだろうと見ていたのです。
ところが、ここ1〜2年の変化を見ていると、その前提を修正せざるを得ないと感じています。 特にAIサーチのように、AIが検索と回答を一体化して返してくれる仕組みが広がると、 ユーザーの「探し方」そのものが変わっていきます。
従来のGoogle検索では、基本的に次のような二段階のプロセスを踏んでいました。
つまり検索エンジンには、「調べたい情報を探すための道具」としての役割だけを期待していて、 何を基準に選ぶべきかというところまでは、自分で考えたり、別途調べたりする必要がありました。
一方で、PerplexityのようなAIサーチや、検索機能付きの各種LLM(大規模言語モデル)、 ChatGPT、DeepSeek R1などを使ってみると、体験がまったく違います。
例えば、 「こういう状況で、こういうものを探している。どんな基準で選ぶべきか。そして、具体的に何がおすすめか」 とAIに聞くと、
この両方が、最初からセットで返ってきます。 ユーザーは、あまり深く考えなくても、自分の希望条件をざっくり伝えるだけで、 AI側が「こういう基準で選ぶといいですよ」「その基準なら、このあたりが候補です」と まとめて提示してくれるわけです。
しかも「こういう基準で返して」と明示的に指示しなくても、 「この辺でおいしいラーメン屋ある?」と聞くだけで、 AIのほうでレビューや特徴を踏まえて勝手に基準を組み立て、 「こういう観点で見ると、この店とこの店が良さそうです」と返してくれたりします。
ここまで来ると、ユーザーにとっては、 「自分で判断基準を考える」という負担そのものがAIに肩代わりされている状態です。
AIサーチが広がっていくと、何が起こるのか。 私は「勝ち組」と「負け組」の二極化が、今以上にはっきりしてくると考えています。
その先行事例として、すでに起きてしまっているのが採用市場です。
採用の世界では、 「入りたい」と思わせるストーリーを打ち出せている会社と、 そうでない会社の差が、すでにはっきり出ています。
前者は、主に大企業が多いですが、 「自分の人生のストーリーの中に、この会社での数年間を組み込みたい」と思わせるだけの情報発信ができています。 一方で、魅力の打ち出しが十分でない会社は、
といった明確なメリットがない限りは、 言い方は少しきついですが、「他で採用されなかった人」だけが、なんとか集まるような状況になりがちです。
これは、その会社の中身が悪いというより、 「きちんと魅力を伝えられていない」ことが問題なのですが、 結果としては、きれいに二極化してしまっています。
AIサーチが一般的になると、同じ構造が購買行動のほうにもそのまま波及する可能性が高いです。
これまでは、 「地元の地域名+リフォーム」「駅名+歯医者」などで検索してもらい、 自社サイトに来てもらえれば、ページの中身を読んでもらうことで魅力を伝えられる、 というゲームでした。
ところが、 AIがユーザーの代わりに判断基準を決めて、候補を選んで返すようになると、 ユーザーが自分でいろいろなサイトを巡る機会そのものが減っていきます。
結果として、
Published on 10 months, 3 weeks ago
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