Episode 566
中小企業のWeb活用でつまずきがちな“経営と現場のギャップ”を前提に、行動に結びつくKPI、チェンジエージェント、小さな実験の回し方を具体的に示します。
AIやDX、あるいはデジタル系の取り組みが、なかなか会社に根付かない。こうしたお悩みを持つ経営者や担当者の方は少なくないのではないでしょうか。この問題は日本特有のものなのか、それとも世界的な課題なのか。企業の変革を阻む要因を探る中で、示唆に富むレポートを見つけました。
今回は、フランスのグローバルなコンサルティング企業キャップジェミニ社が発表した調査レポート「The Digital Culture Challenge」を元に、企業のデジタル変革について考えていきます。このレポートの結論を先にお伝えすると、「多くの組織は、デジタル技術を導入しても、文化や行動、意識を変えない限り、変革は定着しない」というものです。
このレポートは約1500社を対象にした調査に基づいており、デジタル変革がうまくいかない最大の障壁は「企業文化(カルチャー)」であると指摘しています。そして、そこには経営層と従業員の間に大きな認識のギャップが存在するといいます。
例えば、経営層は「うちはかなりデジタル化に対応できている」と考えていても、現場の従業員は「全然使いやすい状況になっていないし、仕組みもない」と感じているケースが多く見られます。このギャップがある限り、部門を横断したデータ連携や共同作業は進みません。
大切なのは、優れた技術やツールを導入すれば何とかなる、という考え方から脱却することです。会社としての文化や行動規範を整え、「こういうツールは自由に使って良い」「我が社はAIをこのように活用していく」といった明確な方針と仕組みを示すことが、変革の第一歩となります。
では、具体的にどのような文化を育てていけばよいのでしょうか。レポートでは、デジタル文化を醸成するための7つの重要な要素が挙げられています。
まず、すべての中心に「お客様」を置く考え方です。自分たちがどうしたいかではなく、「お客様にとってどうあれば嬉しいか」という視点から、自社がどう変わるべきかを考えることが全ての出発点となります。
新しい挑戦を後押しする空気
Published on 1 month, 4 weeks ago
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